「漁に生きる」 柴原 連
『幸運をかみしめた』
定年退職後の趣味として写真を始めた当時は「JPS展」など雲の上の話でした。が、4年前に銅賞を受賞した時「これが最初で最後」と思っていただけに今回の金賞受賞は望外の喜びです。古希を過ぎて晴れやかな舞台で表彰を受けられる人生の幸運をかみしめました。会社勤務時代は海外出張の機会が多く気の向くままに写真は撮っていました。趣味として始めるに当たり基本から学ぶこととしました。カメラメーカーの写真学校で基本からゼミコースまで多くの先生から学びました。現在は地元のプロカメラマンの(斉藤尚義)先生に熱血指導戴いています。ここまで指導してくださった諸先生に感謝の気持ちです。
『自分の写真で見てもらいたいところは?』
夜も明けきらぬ早朝の出港で、黒い海原の波と寒風の中を沖の漁場まで突き進み、薄暗く揺れ動く船上を駆け回り綱を引き寄せる力仕事は危険と隣合わせの男の荒業。当然、撮影も薄暗く揺れ動く厳し環境の中でシャッターチャンスを狙いました。カメラブレを防ぐシャッタースピードの確保と、夜明け時の逆光の中でのフレアやゴーストの発生と白飛びに注意しながらの撮影でした。 船頭を始め乗組員の方々の心遣いで生涯の思い出となる撮影機会に恵まれ感謝です。