撮影した画像データをどんな風に保存しているのでしょうか。
現像編集するパソコンのローカルのハードディスクに保存するのはもちろん、レイド構成されたネットワークのドライブ(HDD)に保存したり、またクラウドストレージサービスをうまく利用している方々もいます。
今回は、クラウドストレージサービスについてレポートいたします。
クラウドストレージサービスも各種いろいろあって、無料で使えるものから有料のものもあり、どのサービスを利用していいのか選択が難しいと感じる事もあるかもしれません。それぞれのサービスによって使用できる容量や費用、保存できるファイル種も異なります。自分のスタイルあったサービスがあれば、有効的にバックアップメディアとして使うことができるのではないでしょうか。
今回比較するサービスは、下記の5つクラウドストレージサービスです。使った事のない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。実は意識的に使っていないと思っていても、実はスマホのデータをバックアップしていたりすることもあるストレージサービスです。
1 GoogleDrive(Google, Inc.)
GoogleDriveは、グーグルが提供するサービスで15GBまでは無料で利用できるサービスです。
画像データだけでなく、文章や音楽・動画なども保存でき、Google アカウントを作れば誰でも15GBまで無料で利用できるのが特徴です。もちろん月額料金を支払うことによって容量のアップは可能になります。
特徴としてJPEGファイルをGoogleDriveのGooglePhotoに保存する場合は、基本的には15GB以上でも無料で使うことができる点です。ただ無料で利用するには少し注意しなければならない点があります。
無料で利用する際には、オリジナルのJPEGファイルが保存できるのではなく、高画質 (容量制限なし/無料)モードでの使用になます。この高画質保存モードは、グーグルのシステムによって1600万画素相当にリサイズされてクラウドに保存されます。
完全オリジナルのJPEGも保存する「元のサイズモード」で保存すれば元の解像度で保存できます。ただしこの場合に無料で利用できるのは最大15GBまでになます。それ以上利用したい場合は有料で容量を増やすことになります。
GooglePhotoの設定確認はこちら → https://photos.google.com/settings
※グーグルにログインすると確認できます。
JPEGだけの保存で利用する場合はお手頃に使えるサービスです。アップロードした画像もアルバム名を付けてフォルダ的な管理もできます。またアップロードした画像を友人と共有したり、スマホのアプリもあって、外出先から画像データを探すこともでき便利に活用することができるサービスです。
JPEGファイル以外で無料・無制限で利用できるファイルは、動画ファイル(mp4・mov 1ファイル10GBまで・フルHD1080pに再圧縮)が無料利用可能です。
※2019年5月10日現在
2 AmazonPhotos (Amazon)
AmazonPhotosは、Amazonの会員なら誰でも5GBまで無料で利利用できるサービスです。無料で使える5GBだと写真のバックアップに使うには、少し物足りない容量ですが、有料サービスで、(100GB・2,490円/年~)のサービスもあります。
しかし普段からよくAmazonで買物をする人や動画をみたり、音楽をみたり、電子書籍を見る方はAmazonプライム会員(4,900円/年)になっている人も多いのではないでしょうか。
Amazonプライム会員であれば、プライム会員特典としてAmazonPhotosで画像ファイルの容量無制限で保存できます。
無制限保存が可能なファイルは、JPEG、BMP、PNG、GIF、大部分のTIFF、およびRAW形式(NEF・CR2・ARW・ORF)のファイルとなっており、RAWデータの保存の無制限で利用できるのがとても魅力ある特徴です。
※ただしRAWデータ画像は、現像処理をされるわけではないので、プレビュー画面の色はJPEGと同じようには表示されません。
ストレージアップロードした画像データはフォルダで管理できるので、クラウドストレージバックアップとしては比較的使いやすい仕様です。
AmazonPhotosは、動画ファイルは容量無制限の対象にはならないので、動画をバックアップする場合はに使用容量に注意が必要になります。
※2019年5月10日現在
3 OneDrive(Microsoft)
OneDrive(Microsoft)は、マイクロソフトが提供するクラウドストレージサービス。5GBまでは無料で利用することができます。有料のサービスで(1TB・12,744円/年)で利用できるものがあります。
画像ファイルのバックアップ的利用よりも、どちらかと言うとマイクロソフトのソフト(office書類など)を多く使うユーザー向けのバックアップサービスになります。
※2019年5月10日現在
4 iCloud(Apple Inc)
iCloud(Apple Inc)は、Appleが提供するクラウドストレージサービス。Apple IDを作成すれば、無料で5GBまでクラウドストレージサービスを利用することができます。
写真データの他に音楽、動画など各種ファイルを保存できます。容量アップの有料サービスは(50GB・130円/月~)。
スマホとの連携がよく、スマホ・タブレット利用が多いユーザーに便利に使えるサービスです。
※2019年5月10日現在
5 Yahoo!ボックス(Yahoo)
Yahoo!ボックス(Yahoo)は、ヤフーが提供するクラウドストレージサービスです。Yahoo! IDを作成すれば、無料で5GBまで利用することができます。
Yahoo!プレミアム会員であれば、2週間ごとに1GBまでアップロード可能で、Yahoo!かんたんバックアップアプリを利用すると容量無制限でデータのバックアップが可能になりますが、このスマホのデータバックアップ利用の意味合いが強いサービスになります。サービス開始当初は、パソコンからの画像バックアップがメインのサービスでしたが、最近ではサービスはだんだんと縮小傾向になってきています。
※2019年5月10日現在
Drive |
AmazonPhotos |
OneDrive |
iCloud |
Yahoo!ボックス |
|
運営 |
グーグル |
アマゾン |
マイクロソフト |
アップル |
ヤフー |
無料容量 |
15GB |
5GB |
5GB |
5GB |
5GB |
容量追加有料 |
有 |
有 |
有 |
有 |
無 |
特徴 |
JPEG1600万画素データ保存であれば無制限 |
プライム会員(有料4900円)であればJPEG・RAWデータ保存も無制限 |
Yahoo! BB会員であれば50GBまで無料 |
代表的なよく聞くクラウドストレージサービスをピックアップしてみたが、いずれもある程度無料で利用できるので、自分にあった使いやすいサービスを選択すればいいと思います。
ただ、いずれのサービスも未来永劫継続される保証はありません。過去にいろいろなクラウドストレージサービスが登場してはサービスを終了していったものも数多くあります。
画像の保管のメインは、自宅でパソコンやNASなどのストレージで責任をもって管理し、サブ的な意味合いでクラウドストレージサービスを利用することが望ましい使い方ではないでしょうか。
(文・坂井田 富三)
編集部からのお知らせ
今回の記事は有料・無料のネットワークストレージサービスについて取り上げましたが、これらのサービスを無条件で推奨するものではありません。
現在、ネット上ではメール、検索、SNSなど様々な無料サービスがありますが、無料であることにはそれなりの理由があります。
広告収入、有料サービスへの誘導、アプリケーション開発の情報収集、ビッグデータの収集等様々な理由があります。
その中にはユーザーが蓄積した写真データを分析することによって、将来的に写真家に替わりAIによる自動撮影を目的にしているものも含まれているかも知れません。
そのような仕組みやリスクを知った上で、今回紹介した魅力的なサービスをお使いになることを希望します。
「写真豆知識」編集部