「飛行機撮影について」写真家 KEN五島
私は炭鉱遺産との出会いをきっかけに東京から札幌へ拠点を移し、その活動の中で建築写真と出会い業務撮影を行い、2014年頃から航空機の撮影を開始しました。当初はマニュアルの800ミリを写真仲間の方から貸与頂き、基礎練習を1年ほど行い、その後2015年に新型600ミリを導入。本格的に航空機撮影に取り組み出しました。
撮影に際しては、航空機の持つ機能美や躍動感を重視しています。太陽や月の位置、光の向きなど刻一刻と変化をしていくので、事前に天気や天体の位置などの調査は欠かしません。また航空無線から得られる情報も重要です。
空港の周囲はセキュリティが厳しいエリアです。航空法はもちろん、スタッフの方々の迷惑にならないよう留意し撮影に際し挨拶をし、許可が必要な場合は必ず許諾を取り、見切り発車はしないようにしています。
撮影機材については、14-24ミリのような超広角、大口径50ミリF1.2、望遠ズーム100-400、超望遠600ミリを使用しています。テレコンバーターも活用し、日常的に600~1680ミリの焦点距離を使用しています。
夜間の月と航空機や長時間露光以外は、基本的に全て手持ち撮影です。新型機材はだいぶ軽くなりましたが、一日中運用するにはやはり鍛錬が欠かせません。私の場合は週4~5回の剣道稽古を行い、上段という左手のみで打突する構えを用いることで、似た構えになる超望遠撮影に活かしています。
また剣道はシャッターを切る「機会」を読むのに大変役立っています。どのような方法でも良いのですが、何か鍛錬を日常で行うと、特に超望遠を用いた撮影には役に立つのではないかと考えています。
航空祭や日常の空港周辺など、様々な情景が広がっています。いろいろな発見がたくさんあることを祈っております。
KEN五島(五島健太郎)
1974年名古屋生まれ、東京生活24年の後、2001年より札幌在住。
1999年頃、業務撮影を開始。同年大夕張の炭鉱街跡に出会い、北海道炭鉱遺産の撮影を開始する。2001年冬、札幌移転。2009年、写真集『北海道炭鉱遺産』出版。航空機は2014年頃より撮影を開始。特別航空輸送隊政府専用機2021パンフレット写真作品掲載。メインの業務撮影は建築写真。
ブログ:http://ameblo.jp/kengoshima
Twitter:https://twitter.com/Ken_Goshima