2024年10月10日 土田ヒロミ
私は、1975年から「ヒロシマ」を、1983年から「ベルリン」、そして2005年から「エルサレム」を撮影対象として取材を継続してきました。今回は、2005年からエルサレム周辺で撮り進めてきた風景を展示します。
私がこの「エルサレム」の作業を通して目指したのは、巨大な分離壁という人間の尺度を超えたものをなぜこれほどまでに大規模に建設し続けなければならない状況があるのか。その理由を、分離・排除の現状を象徴する壁の風景の中で考えることでした。
長い歴史の中で、イスラエル-パレスチナの関係は、今や混迷を極めています。もはや解決の糸口すら見出せないほど悲劇的状況は続き、むしろ増幅し続けています。全長700kmを超える壁は、まだまだ蛇行を繰り返しながら分断を鮮明にしていく予感がします。
翻って日常の中で、私達は、分断・差別の意識を見逃していないだろうか。
土田ヒロミ 写真展「Wall to Wall — Jerusalem エルサレム」
会 期:2024年10月7日(月)〜11月2日(土)
時 間:11:00〜17:30(月~土のみ/日・祝日は休廊)
会 場:GALLERY FOREST
住 所:神奈川県横浜市港北区箕輪町2-2-32 東京綜合写真専門学校4F
URL:https://gallery.tcp.ac.jp/wall-to-wall-jerusalem/
[シンポジウム]
2024年10月26日(土)15:00〜17:00(予約不要・入場無料) 登壇者:土田ヒロミ、港千尋、伊奈英次(進行)
[主催] 東京綜合写真専門学校
[ディレクター] 鵜澤淑人
[後援] 東京綜合写真専門学校校友会