水越 武 作品展「語りかけてくる風景」開催のお知らせ

2024年10月10日    水越 武

 

 南緯50度を跨いで横たわるパタゴニアは南米大陸の南の端にあり、日本からはもっとも遠い地域である。そのため日本からは飛行機で行くだけでも最低三日間を要し、訪ねるだけでも難事である。

 1970年代、氷河の踏査に夢中になっていた私は、ヒマラヤやカラコルムの源流から末端まで50kmも80kmもある大氷河を毎年のように歩いていた。

 しかし1970年代ではヒマラヤはもちろん、アラスカや崑崙山脈、天山山脈にもすでに未踏査の氷河はなかった。

 ところが地球最後の未踏査の氷河といわれていたパタゴニアの氷床が、1968年に横断はされていたが、縦断はまだ成されていなかった。

 そこに目をつけ、何をおいても何とかしたいと仲間も集め追い求めたが、資金不足で実現できなかった。もう半世紀近く経った今でも、懐かしくもほろ苦い思い出として残っている。

 

水越 武 作品展「語りかけてくる風景」

 
会 期:2024年10月29日(火)〜11月24日(日)入館無料
 
時 間:10:00〜17:00(月曜休館 11月4日は開館)
 
会 場:JCIIフォトサロン
 
住 所:東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
 
URL:https://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/2024/09/10/35828/

 


水越 武(みずこし たけし)

1938 愛知県豊橋市に生まれる

1958 東京農業大学林学科中退。その後、田淵行男氏に師事し写真を始める

 

[受賞歴]

1991 写真集『日本の原生林』(岩波書店)で日本写真協会賞年度賞
1994 写真集『HIMALAYA』(講談社)及び『ボルネオ』(クォーク)で講談社出版文化賞写真賞
1999 写真集『森林列島』(岩波書店)で第18回土門拳賞
2009 写真集『知床 残された原始』(岩波書店)などで平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞
2013 平成25年度 北海道文化賞
2020 令和2年 北海道功労賞

[近年の写真集・著書]

2009 『わたしの山の博物誌』(新潮社)、『熱帯の氷河』(山と溪谷社)
2013 『月に吠えるオオカミ』(岩波書店)
2015 『真昼の星への旅』(新潮社)
2017 『最後の辺境』(中央公論新社)
2020 『日本アルプスのライチョウ』(新潮社)
2022 『アイヌモシリ オオカミが見た北海道』(北海道新聞社)

[海外での展覧会]

1981-82 「NATURE IN MY MIND」プラハ国立博物館(チェコスロバキア)/アムステルダムキヤノンギャラリー(オランダ)
1986 「アジアの山」フォトキナ・ケルン出品(ドイツ)
1992 「日本の原生林」ライカ本社(ドイツ)
2003-04 「HIMALAYA BIANCO E NERO-LA LUCE DELLE GRANDI MONTAGNE」国立トリノ山岳博物館(イタリア)
2004-05 「HIMALAYAS」ホワイト博物館(カナダ)、「Phenomenon of Baikal」北京・プレスセンター、蘇州・中央図書館(中国)/モスクワ近代美術館(ロシア)