JPS展メルマガ特集「写真家 土屋勝義」
「人物写真が苦手!」と言う人をよく聞く。写真をやっていて、人物を撮った事が無い人はいないだろう。
もし仮に富士山を撮った事が無い人がいても、記念撮影から始まって人物を撮った事が無い人はいないはずだ!
写真は、人に見せる行為だという事。この姿勢と気持ちが大切だと思う。人に喜んでもらいたい行為なのだから!
富士山は、喜んでくれない…(ぼそ…) が、人は喜んでくれるのだ。
風景写真家は、確実に第三者に見せる事を意識して撮影しているから段取りをする。
「こんなきれいなシーンと出会ったよ~」という報告や、撮影技術は後からでよい。自然と触れ合う事が大切だ。
人物撮影では「被写体となる人物が素直に喜んでくれるにはどうしたら?」で良い。相手は人なのだから、その人と同じ
空間にいる事が大切なのだ~!!!
人とのコミュニケーションが撮影前にいる。山に登るのが苦手だから山を撮らない? それは只のモノグサと反省する…。
写真の段取り能力・写真発想能力・写真決断能力・写真記憶能力
それらは旅の過程を計画するのと同様に、あるいはデートプランを考えるのと同じだ! ようは段取りである。
その後は、こうしたら喜ぶかも?の発想。「よし行こう~!」という決断。
例えば「天気が悪かったから!? 映画館にしようか」という、過去の経験を覚えておく記憶も大切だ。
彼女に嫌われない様にマナーを守る。それは写真のマナーも同じ!
撮影地で偉そうに機材バッグがベンチにずらりと並んでいたら… お弁当を食べたい人たちが座れない。ベンチから離れて数人が撮影をしていたら、あの人たちの機材バッグ?となる。本来は座るべきベンチを自分のわがままで占領する。
カメラマン達は、撮影している時も見られているのだ。公園でモデルさんがブランコしてかわいいシーンをつくる。だがその横では、子供たちが「ブランコで遊びたいのに…」と思いながらも、カメラマンの大人には言えない。言いづらいのだ。
大きなカメラを持った人が5、6人いたとしても、遊具やベンチを占拠は如何? 私の撮影指導では、遊具やベンチは使用禁止である(シート引いて機材を置く)。
「この人は紳士的だな」と思ってもらう行為が、写真に、人に、あるいは彼女に伝わり、そして相手と繋がるはずです。周りに気を遣う。何をしたら皆が、モデルさんが喜んでもらえるか? その撮影現場で、写真の結果が出る。
そもそも被写体達に魅力があるから、レンズを向ける! 心地よくシャッターを切るだけで良い。ファインダーを覗いて構図を決めて
シャッターを切るのは、カメラマンの特権なのだ!
後は、光があって構図を作るのである! これは勉強しましょう(笑)
光を感じるのは、風を感じるのと同じなのだから!
後はモデルさんが楽しければ撮影も楽しいのです。独りよがり、自分さえ良ければの自己満足で写真は成り立たない。写真は人に満足
してもらいたい行為なのです。
コンテストなどへ応募する。その時点で「人に見せる」という意識となっており、写真は上手くなっているはず。多分…きっと…そうだと思います。
だから、皆さんJPS展に応募しましょう!!!
1963年東京・築地生まれ
1981年に明治大学付属中野高校を卒業後、東京工芸大学短期大学(旧写大)に入学。
1983年に六本木スタジオのチーフアシスタントを経て、篠山紀信氏に師事する。
1989年独立。
雑誌・広告などで、タレント、アーティストのポートレート撮影を手がける。
2006年から写真誌『CAPA』の表紙撮影を担当。18年目の2022年現在も継続中。
東日本大震災以降、宮城県高校写真部などで毎年写真指導応援交流継続。
2000年に初個展「勇き光の戦士たち」~つかこうへいの世界~で舞台写真を発表。
つかこうへい氏に「土屋勝義の優しすぎる目が、レンズを通すと狂気をもつ瞬間が好きである」
師匠の篠山紀信氏から「つか芝居は暴力と優しさ、土屋写真はシャープさと色気。どっちもどっち、どちらも見たい。」
2000年 「勇き光の戦士たち」~つかこうへいの世界~(ミノルタフォトスペース)
2004年 「AND ENDLESSの世界~FANTASISTA」(コニカミノルタギャラリー)
2006年 「デジタル侍 写真展「風林火山絵巻」(キヤノンギャラリー)
2008年 「日中文化交流写真展」(東京国際フォーラム・紫禁城)
2009年 「瞳の中の少女 滝沢カレン17才」(ルデコ)
2010年 「デジ侍NY凱旋写真展」(ギャラリーコスモス)
2011年 「瞳の中の天使 滝沢カレン」(キヤノンギャラリー)
2017年 「築地ラビリンス」(築地ふげん社)
2019年 「東京夜桜美人」(キヤノンギャラリー)
2022年 「東京橋美人」 (ピクトリコギャラリー)
第48回2023JPS展 審査員