2017年08月04日 小城崇史
2016年8月、自身の個展開催中に急病のため急逝した、渡辺英明さんの個展がオリンパスギャラリー東京にて開催されます。
今回の展示は、2016年に制作された私家版写真集(未発表)の作品を、彼の日芸(日本大学藝術学部写真学科)時代の同級生3名がプロデュースし、写真展として開催されるものです。
2014年のJPS入会後、新入会員作品展実行委員長を皮切りに委員会活動に尽力するかたわら、写真集・写真展など写真家としての活動を精力的に展開していた渡辺さん。残念ながらもう本人の声を聞くことはかないませんが、軽やかな足取り、そしてしなやかな眼差しで街を切り取る彼独自の世界を、ギャラリーでぜひ堪能してください。
小城 崇史
渡辺英明 写真展「PEN-F を通して見たパリ」詳細
作者名: 渡辺英明(公益社団法人 日本写真家協会 物故会員)
写真展タイトル:「PEN-F を通して見たパリ」
期間:2017年8月25日(金)~8月30日(水)
写真展情報ページ:https://fotopus.com/event_campaign/showroomgallery/detail/c/621
写真展案内:
昨夏、「オリンパスPEN-Fの開発に携わった人々にこの本を捧ぐ」と記されたこの写真集を完成させて間も無く、彼は旅立って行きました。残された写真集には、彼が一ヶ月前に見たパリの街が写っていました。長い歴史を重ねた静寂の中に佇むパリの景色と、混沌とした現代社会を象徴するパリの景色が、写真集の中で左右隣り合っていました。
「時が静かに降り積もる。そして明日も時は降り、未来永劫、降り続ける。」彼が以前の写真集の中で語った、この言葉が思い出されます。
彼の遺作となりましたこの写真集に納められた写真を中心に、「苛つく好きな街」、「あの場所」「色つきの場所」「遠い場所」の「場所」シリーズ三部作、「New York 2015 Summer」など、彼が34〜52歳までの18年間に製作した23冊の写真集も展示される、写真家 渡辺英明の回顧展です。彼の穏やかでありながら、熱い眼差しから切り取られた街々の写真は、今まで気づくことの無かった街の様々な魅力を伝えます。突然の病によって旅立った彼に代わって、大学時代の友人達(ホンマタカシ、大森克己、塩坂芳樹)がプロデュースします。
出展作品数:22枚(モノクロ)+写真集(23冊)
作者略歴:
渡辺英明(わたなべ えいめい)
公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員(物故会員)。
1964年 東京都・新宿区に生まれる。日本大学芸術学部写真学科卒業後、朝日学生新聞社に入社。写真記者として、小学生から総理大臣まで、さまざまな人物や出来事を25年間に渡って撮影。
ライフワークとして、都市の風景をテーマに、東京を中心に、日本、世界各地の都市を撮影。
2014年にフリーランスとなる。新聞、ネット媒体、企業オフィシャルカメラマンなどで活躍するとともに、カメラ雑誌で、新製品のレビュー記事を執筆する。
「雪の降る街」(オリンパスギャラリー)、「GR II NY」(tokinon50/1.4)など写真展開催多数。