上吉川祐一写真展 『かわと生きる』開催のお知らせ

2024年08月27日    上吉川祐一


 
私は皮革産業が盛んな兵庫県たつの市で生まれ育った。
幼少期から皮革工場は身近にあり、河原に革を干していたり、皮を後ろに積んだ軽トラックやフォークリフトが道を走っている光景が印象に残っている。

兵庫県は日本一の牛革の生産地だ。主に、たつの市にある松原・誉田(ほんだ)・沢田地区、隣の姫路市では高木・御着(ごちゃく)・網干(あぼし)などの生産地が有名で、全国に流通する牛革の約8割が県内で生産されている。
私の住むたつの市は兵庫県南西部に位置し、瀬戸内海に面している。自然が豊かで、特に里山や海岸などが美しい地域だ。北の山地から南の瀬戸内海まで南北に長い地形の中を、揖保川、林田川という2本の川が流れている。豊かな水が、醤油、手延素麺、そして皮革というたつの市の伝統的な三大地場産業をもたらした。

写真家として、初めてタンナー(※)の工場に入らせてもらったのは2009年のこと。山積みにされたホルスタイン牛の原皮を見て圧倒されたが、無意識にカメラを構えたことを今でも覚えている。その後も、牛の「皮」が「革」となり、製品となっていく過程に魅力を感じ、牧場からタンナーまで、15年ほど取材を続けてきた。牛が生まれてから革製品が仕上がるまでには、実に多くの職人が関わっている。
地方に暮らす表現者として、この地域のどんな役に立てるのだろう。そう考えた時、写真で地域の魅力を内外に伝えることだと思った。海外の絶景や全国の素晴らしい風景も見てみたいが、私にとって、地元が一番好きな場所で、もっとも魅力を感じる場所なのだ。

写真を通して、そんな「いのち」の物語が、一人でも多くの人に伝わればと願っています。

 

上吉川祐一写真展 『かわと生きる』

会 期:2024年9月14日(土)~10月4日(金)
 
時 間:11:00~20:00(最終日は16:00まで 会期中無休)
 
会 場:αプラザ大阪 ギャラリースペース(SONYストア大阪内)
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目2−22 ハービスPLAZA ENT 4F
 
URL:https://ers.sony.jp/SEvent/pageEventDetailEVT?e=a2OF90000085JeOMAU&p=大阪
 
入館料:無料
 
作品点数:約30点

 

写真展開催を記念してトークショーを実施
 
日 時:9月28日(土)13:00~14:00
 
会 場:αプラザ大阪 ギャラリースペース(SONYストア大阪内)予約優先
 
予約方法:https://liff.line.me/1657565410-xonqnJK7/4825289(※LINEでのご予約となります。)

 


上吉川祐一(かみよしかわゆういち)プロフィール
 
1978年、兵庫県たつの市生まれ。7年間のスタジオ勤務を経て薬師山写真館を設立。ポートレートからドキュメンタリーなど企業の広告写真も手がけるほか、写真を通じた地域創生に注力。

2024年に写真集『かわと生きる』、写真展『いのち牛革製品ができるまで』(富士フイルムフォトサロン 東京、札幌、大阪)、Leofotoギャラリーで開催。

国内外のフォトコンテストで受賞歴多数。

WPCワールドフォトグラフィックカップ日本代表

公益社団法人 日本写真家協会会員