森田雅章 & 吉田尚弘 写真展「死者と共に暮らす人達 フィリピン 『ナボタス墓地』」開催のお知らせ

2019年08月04日    森田雅章

森田雅章 & 吉田尚弘 写真展
「死者と共に暮らす人達 フィリピン 『ナボタス墓地』」

会期:2019/08/01 ~ 2019/08/07
会場:アイデムフォトギャラリー「シリウス」

開館時間 : 10:00~18:00 (最終日 : 10:00~15:00)
休館日 : 日曜日・一部祝日

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
TEL:03-3350-1211
FAX:03-3350-1240
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅下車

ナボタス墓地(死者と暮らす人達)

フィリピンマニラから車で北へ15 分、ナボタスにある公共墓地を訪ねた。裕福な人達の墓地とは違い、5年間のリース契約である。お墓は遺体を棺桶ごと小さなコンクリートの升目に収め、ブロックとコンクリートで密閉したものが積み重ねられている。5年後、遺体も棺桶も朽ちる為、入口を壊し、骨を取り出す。火葬した骨と違い骨格が分かる程しっかりしている。歯も頭蓋骨に付いたままだ。麻袋にまとめて遺族を待つが、引取りが無い場合は放置される。ここで手伝いをしている人達は積み重なったお墓の上にバラックを造り生活をしていた。お墓の上で炊事するお母さんたち、作業の終わったお父さんたちの生活がお墓の上にある。このナボタスのお墓で生活をするようになったのは1980 年代からだ。台風により大きな被害を受けたサマル州の人達の避難所としてこの墓地が使われたのがきっかけだった。web 上ではここに住んでいる人達は3000 人とも5000 人とも書かれているが、その数は墓地周辺のスラムを含めた人数であり、実際に墓地に住んでいるのは200 人程度に見えた。フィリピンは公用語として英語を使う国だが、英語は学校で習う為、学校に行けなかった子ども達は現地語しか話せない。英語が話せない事にはまともな仕事がないのがフィリピンだ。「死者と共に暮らす最悪のスラム」と言う表現を多くされているが、幸いここの子ども達は学校に通えている。僕にはフィリピンに多々ある他のスラムよりは良い環境だと思えるのである。

(カラー約80点)